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京都家庭裁判所 昭和33年(家)952号 審判 1958年7月15日

宋順愛こと 申立人 谷口純子(仮名)

主文

養子縁組無効につき

一、京都市○○区役所備付

本籍京都市○○区○○町一八一番地、筆頭者谷口勝助戸籍中姪純子について

昭和二二年七月○○届出によりなしたる宋秀道との養子縁組による記載ならびにその除籍事項を消除して同人の戸籍を回復すること。

を許可する。

理由

本件申立の要旨は申立人は昭和二二年七月○○日朝鮮全羅南道○○島○○面○○里二九四番地宋秀道と養子縁組し昭和二五年一二月○日除籍されたが、右養子縁組は朝鮮の慣習に反したもので無効である。即ち朝鮮人の養子縁組については別段の立法がなされていないと考えられるのでその要件については、なお、朝鮮の慣習によるべきであり、そうすれば養子となるべき者は男であることが要件となり、女を養子とした本件養子縁組は無効であるというのである。

よつて上記戸籍の謄本、申立人審問の結果、裁判所調査官嘉納篤為の調査報告書を綜合して必要な事実を調査したところ申立事実を認めることができるので本件申立は理由があるものとして認容し主文のとおり審判する。

(家事審判官 渡辺常造)

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